化学合成農薬

「化学合成農薬が使われる」と聞くとちょっと、不安な気もしますよね。
でも、昔から使われているものがほとんどです。
自然界でも、ごく一般的に存在するものばかり。

 

硫黄剤

硫黄剤は、粉剤、水和剤など色々ありますが、
イオウフロアブルは、水和剤よりも硫黄粒子が細かく、微粒子が均一に付着するために、
作物が薬剤によって汚れてしまうことが少なくなります。
野菜類のうどんこ病に効果があります。

 

銅剤

銅剤は、ボルドー液として使われることがほとんどです。
ボルドー液とは、有効成分を塩基性硫酸銅カルシウムとし、
生石灰と硫酸銅より調製される農薬です。

 

フランスのボルドー大学の教授が、1880年頃、ボルドー液に
ブドウの病気を防ぐ効果があることが発見されたのが始まり。
地方の名前「ボルドー」が使われるようになりました。

 

石灰硫黄合剤

石灰硫黄合剤は、リンゴ,イチゴ,野菜類のうどんこ病,モモの黒星病,
縮葉病,クリの葉枯病,ミカンのそうか(瘡痂)病,黒点病などに有効です。
ダニ,カイガラムシなどにも効果があります。

 

現在では、主に果樹のカイガラムシ予防のために使われます。
有効成分は多硫化カルシウム。

 

石灰硫黄合剤は、ボルドー液やマシン油との混合散布は禁止されています。
一定期間、間を空けないと、これらの農薬を続けて散布することもできません。
特定農薬(農薬として登録はないが、農薬の代用品として使っても良い薬剤)の一つである
重曹の成分、炭酸水素ナトリウムを主成分とする農薬もあります。
野菜のうどんこ病菌、灰色かび病菌に対して効果があります。

 

耐性菌が出にくく、炭酸水素ナトリウムは植物に吸収され、
光合成の原料として利用されるため、残留性についてもほとんど心配ありません。
安心して使える農薬です。

 

これらの化学合成農薬や天然物質由来の農薬は、安全性も高いので、
一般にホームセンターでたやすく入手でき、家庭菜園でも使えます。
ただし、安全性が高くても、農薬です。
使用法は、厳密に守らないと害が出ることがあります。