特別栽培

有機野菜栽培は科学的に様々なデータが蓄積され、
農家個人の勘に頼る農業から、データに裏打ちされた農法に変わりつつあります。

 

同じ農家の土地でも、畑や田んぼによって、
土の深さも異なれば、土の質、日光の当たり具合まで、
条件は、圃場(田んぼや畑)の数だけあるといっても言い過ぎではありません。

 

ですので、データに頼った農法になってきたとはいえ
農家の数値にできない部分での、栽培技術も必要になってきます。

 

農家の評価

有機農業を始めたいけれど、とても満足のいく農産物ができない農家は
評価されないでいいのでしょうか?
いやいや、そんなことはありません。

 

特別栽培

農水省では、普通栽培での農薬の散布回数や、
化学肥料の使用を半分以下に減らした栽培を「特別栽培」と規定。
表示ができるようにしています。

 

普通に栽培することを「慣行栽培」と言いますが、
「慣行栽培の時の農薬散布回数より、半分以下の回数でしか、農薬を散布していません」
と言われても、基準となる回数が分からなければ、消費者にとっては、理解できません。
いくつか例を挙げておきましょう。

 

たとえば、

トマト(抑制栽培)なら6回、ほうれん草は7回、青梗菜8回、水菜9回となっています。

 

ほうれん草などは、夏場なら2ヶ月足らずで収穫になるため、
1週間に1回くらいの間隔で農薬散布していることになります。
ほうれん草などは葉っぱを食べる野菜です。
農薬散布については、かなり気になる人も多いと思います。

 

農薬の種類によっては、出荷前日まで散布できるものもあります。
食べる側からはそれは避けて欲しいと思うでしょう。

 

特別栽培では、慣行栽培の半分しか農薬散布が出来ないわけですから、
よほどのことがない限り、出荷直前に散布することは、ないといえます。

 

だから、ある程度、安全性を担保でき、しかも安定した生産が可能です。
大量出荷する場合でも、比較的容易に栽培ができます。
価格は、当然、有機野菜栽培より安くなりますが、
安定して出荷できる分、農家も収益を上げることができます。