無農薬野菜栽培

無農薬野菜栽培は、農薬を全く使用していない野菜栽培です。
ただ、後で説明する有機栽培でも同じですが、農薬を使わないといっても、
種を購入する場合、すでに種子消毒をしてから販売されている場合があります。
これについては、農薬使用の回数に数えません。

 

お米の場合は

前年度に収穫した米(籾)のうち、品質の良いものを残して種子にすることができます。
野菜の場合は、F1雑種と言って、遺伝的な性質がその代でしか現われないのが基本です。

 

その年にできた収穫物から種を取って、次の年に播種しても、
親の性質が出てきて、売り物にならないのです。
従って、農家は毎年、種苗会社から種を購入しなくてはなりません。

 

ただ、伝統野菜などは、固定品種と言って、米と同様に、
自分で種を取っても問題がありません。

 

もし、そのような消毒までを否定するのであれば、
固定品種の野菜を選んで食べるしかありません。

 

「奇跡のりんご」をモチーフにした映画

ご存じの方も多いと思います。
この無農薬で栽培され作物は、安心なように思われがちですが、
実は農水省が規定する「無農薬」ではありません。
そもそも農薬は、メーカーが厳しい基準で検査し、合格したものだけが、
厚生労働省に認可をうけて販売されるのです。

 

この映画に出てくるリンゴには、食酢やワサビなど、
人間が食べても悪くない物質を使っているのだそうです。
ところが、この食酢やワサビなどは、農薬として登録がされておらず、安全性の評価がされていないわけです。
無登録な農薬を使っているのですから、「無農薬栽培」とはいえないのです。

 

実際のところ、食酢や唐辛子などを農薬代わりに使う例はあります。
ですが、「人間が食べるものだから安全です」というのは、いささか短絡的ではないでしょうか。
というのは、実際に食べるのとは異なり、濃度や組み合わせによって、
植物にどのような作用があるのかを検証せずに、使っているのですから。

 

以前、漢方薬の原料を使って「安全」を謳った栽培方法がありました。
これも登録されていない農薬を使うわけです。
必ずしも安全だといえるものではありません。
安全だと思わせる、一つの方法だと思って良いでしょう。