天然由来の農薬

天然由来の農薬は、有機栽培で認められている農薬です。
これらの農薬は、減農薬栽培などで減らすべき農薬としてカウントされません。

 

除虫菊は、

1886年(明治19年)に日本に入ってきました。
当初は試験的に栽培されていたものが、熊本県、和歌山県などで栽培されるようになりました。

 

一方、和歌山県でミカン農園を運営していた上山英一郎氏は、
観賞用として栽培していた除虫菊を、殺虫剤として、線香に練り込むことで
殺虫効果を引き出すことに成功。後に、「金鳥」を設立することになります。

 

農薬としては、

除虫菊の成分を乳剤化した除虫菊乳剤、
除虫菊の有効成分だけを抽出したピレトリン乳剤(ハイベニカ)などがあります。

 

トマト、キュウリ、なす、キャベツ、こまつな、花き類・観葉植物に対して、
アブラムシ類、テントウムシダマシ類、アオムシ、コナガに効果があります。

 

ハッパ乳剤

キュウリやカボチャのうどんこ病には、菜種油を原料にしたハッパ乳剤を
100倍から200倍に薄めて使用。
ミカンやバラのハダニ対策としても用いることがあります。
ノリのように害虫をコーティングして殺虫効果を発揮します。

 

マシンオイル

カイガラムシ、ダニ類をはじめ越冬害虫防除のために昔から使われてきたのはマシンオイルです。
マシン油は天然鉱物由来のものが一般的。一部には植物由来のものもあります。
ハッパ乳剤と同じく、害虫をコーティングして殺虫効果を発揮します。
マシン油は主に果樹に使用。

 

デンプンを主原料とした水和剤

 

同じような仕組みで殺虫効果のある農薬として、デンプンを主原料とした水和剤もあります。
トマト、食用アジアンタム、かんしょ、らっかせいなどの
アブラムシ(アブラムシ類)、タバココナジラミ類、ハダニに使います。

 

脂肪酸グリセリト乳剤

脂肪酸グリセリト乳剤は、化粧品にも使われるグリセリンと同じ成分を原料にしています。
トマトなどの薬剤耐性うどんこ病菌、薬剤抵抗性ハダニ類やアブラムシにも有効とされています。

 

このように、天然由来の農薬の場合は、害虫などを
コーティングして、呼吸困難にさせる効果のあるものが多いです。