有機野菜栽培は普通野菜栽培より安く作れる?

今ではずいぶんと少なくなりましたが
「有機栽培では、化学肥料や農薬を使わなくて良いのだから、かかるコストが少なくてすむのではないか?」
と疑問に思う人もいました。

 

また、「有機農産物は手で草取りをし、虫を手でつぶさないといけないから、
労働コストがかなり高くなるのだ」と考えている人もいます。
この2つの意見は、実際に農家の畑を見に行くとわかります。

 

もちろん、手で草取りをしている農家もありますが、草を生やさないためにマルチといって、
畝の上にいろんな資材をかぶせ、草が生えないようにしてやるのです。
マルチにもたくさんの種類があって、一般の栽培に用いる薄くて黒いビニールもあれば、厚手のビニールもあります。

 

色も黒ばかりでなく白いものもありますし、畝の温度を上げたい場合には、透明のものを用いる場合もあります。
また、通路など水を通したい場合は、網のようになったシートを敷くこともあります。
夏場は草を刈ってきて一面に敷くこともありますし、わらを敷くこともあります。
当然、これらには資材費がかかります。

 

有機栽培では、化学肥料は使いませんが、そのかわりに有機肥料を十分に施さなくてはいけません。
有機肥料は独自のノウハウで自分で作る場合が多いのですが、手に入りにくい材料は購入しなければいけません。
基本的に肥料は土の中で分解されてから吸収されるのですが、
アミノ酸については、植物の根で直接吸収されることが最近の研究で証明されています。

 

そしてこの重要なアミノ酸を含んだ魚粉や動物の血粉を有機肥料の材料として使う農家もあります。
これらは当然、購入しないといけません。

 

害虫の防除に関しては、ネットで徹底的に防除するというのが基本です。
青梗菜などの葉物類は特に虫食いに合いやすいので、ネットをかけたままで栽培することもまれではありません。
最近では日光をできるだけ遮らず、湿気も適度に調整してくれる材質のネットが開発され、
作物に直接触れるようにかぶせても(べたがけ)、十分に育つようになりました