有機野菜栽培のウソとホント

有機栽培は身体に良いと思っている人がほとんどでしょう。
昨今の健康ブームにのって、有機栽培野菜の売り上げは伸びてきています。
また、有機栽培で作った野菜ジュースや青汁なども人気です。
しかし、これらがどうして身体に良いのか、正しく理解して飲用している人は少ないでしょう。

 

有機栽培野菜が良いと思う考えの中には、
「化学製品(農薬)=毒」という考えがあるのではないでしょうか。
昭和40年代に今では禁止されているような、毒性のきつい農薬を使っていたことから、
それが裏付けともなって、農薬を使わない有機栽培への期待が大きくなってきたのです。

 

しかし、農薬であっても、有機栽培で使えるような農薬は、毒性も低く、安心できるものもあるのです。
もちろん、有機栽培を実践している農家は、
できるだけ農薬を散布しないでも良いように努力していることはいうまでもありません。
「野菜は自然の中で育った方がおいしいに決まっている」と、自然農法への回帰を期待する人もいます。
自然農法や無肥料栽培と有機栽培は全く異なります。

 

有機栽培はハウスでも可能ですし、肥料も成分計算をして施すのです。
自然のままでは養分が少なく、食味が悪いものやごく小さなものしか収穫できません。
自然に生えるジネンジョは、これも全く肥料がないという環境では育ちませんが、
細くて長く地下に伸びています。

 

1キロ数万円もすることがあるのですが、1メートル伸びるのに5年以上かかることもよくあります。
確かに味は濃いのですが、
それだけ癖も強く、一般の人が食べておいしいと感じるかどうかは別問題です。

 

有機栽培野菜の購入をためらう人の中には、「何となく土のニオイがイヤ」という人もいるでしょう。
水耕栽培のように無菌の野菜はできませんが、
有機栽培の土のニオイは、それほど悪臭のようなニオイではありません。
もし、悪臭がするというなら、それは有機栽培でも良くない土作りをしているからでしょう。
このように、有機栽培は、あらぬ誤解や勘違いがあるので、正しい知識を持って上手に使いたいものです。
おいしくない野菜を我慢して購入し続けることもないですし、虫やバイ菌に悩ませられる心配もありません。