様々な農法の種類

有機栽培は、有機質の肥料を使った栽培のことです。
それには様々な育て方(農法)があります。

 

伝統的に地元で受け継がれた育て方を踏襲していたり
誰かが体系的に作り出した方法であったり。

 

福岡正信さん

日本での有機農法に大きく影響を与えたと言われる、
福岡正信さんが提唱した育て方(農法)は、
「自然農法」と呼ばれ、今でも、基本的なところで参考にする人も多いです。

 

福岡さんの自然農法は、それまでの化学肥料や農薬を大量に使って
収穫量を上げる手法を、完全に否定するところから始まります。
「身土不二」(暮らす土地で、その季節に取れるものを食べると、健康が保てる)
という、地産地消の元になった考えです。
1970年代にすでに提唱していました。

 

福岡さんの自然農法

かなり独特です。
「自然に任せておけば、健康に作物は育つ」という基本的理念のもと、
無農薬ばかりでなく、耕すことさえしないのです。
耕さないというのは、スゴイことですよね。

 

福岡さんは、2008年に93歳で亡くなりましたが、
何人かの人は、その後を継いで自然農法を実践しています。

 

ただ、自然農法は「作る人の数だけ農法がある」と言われるくらい、
育て方のコツが違っているのです。
自然農法といっても、土地柄にあわせて、各人が創意工夫を積み重ねて
その結果、生み出されたものですからね。

 

稲作では、

雑草防除を目的として、アイガモを放す、「アイガモ農法」や、
スクミリンゴガイを活用した「稲守貝農法」などもあります。
有機栽培は、それぞれが独自に研究してきた歴史もあって、多くの育て方があるのです。

 

これ以外にも、無農薬栽培、減農薬栽培、有機無農薬栽培など、
使っている資材による分類もあります。
厳密には「有機栽培」ではありませんが、比較的容易な栽培で、
安定生産・と安全性の両方を追求した、無農薬栽培や無化学肥料栽培も
十分に安心できる栽培法です。

 

次からは、消費者が農産物を購入する際によく耳にする
栽培法(農法)について解説していきます。