オーガニックの歴史

有機栽培は、別名「オーガニック栽培」と呼ばれ、世界に広がっている栽培方法です。有機栽培を考える時、農薬開発との関係を考えないわけにはいきません。

 

 

農薬

科学的に農薬が使われ始めたのは、1800年代のフランスです。1880年にはボルドー液(硫酸銅+石灰の混合液 )が発明され、普及していきました。1900年に入ると、ドイツのBASF社が人工的にアンモニアを生産する技術を開発。これにより、化学肥料を使った作物栽培が一気に普及しました。

 

日本

同じ頃、日本でも農薬工場ができ、石灰硫黄合剤やクロロピクリンが製造され始めます。1930年代から1940年代には、今では猛毒として知られる有機水銀剤や、殺虫剤・DDTなどが製造。世界で大量に使われるようになります。

 

 

弊害

それら農薬を大量に投入する弊害は、アメリカの五大湖周辺で野生生物の異常な行動や、大量死という形ですぐに表れるようになります。この現象を受けて1946年、イギリスで有機農業団体「Soil Association」が発足。有機農法への取り組みが始まりました。

 

 

農薬取締法

日本では、1948年に農薬取締法が制定。農薬の大量散布に一定の歯止めがかかることになります。その後も農薬の大量散布を危惧する人々によって、様々な農法が提唱されますが、大量増産を必要とした時代です。彼らの農法は異端とされてきました。

 

しかし、1971年に農薬取締法が大幅に改正。メーカーに農薬の安全性や残留性の試験を義務付けし、安全性を担保できるようにしました。同時に、DDT、水銀剤など著しい危険性が指摘されていた農薬を使用禁止に。

 

有機農業

国の規制が強まる一方で、栽培する側でも、1971年、一楽照雄氏らによって日本有機農業研究会が立ち上げられ、有機農業が体系的に研究されるようになっていきます。世界での流れでは、1972年、世界100か国以上、約700団体が加盟する、大規模な有機農業の国際機関IFOAMが発足。大きく交流の場が広がり、有機農業が進展していくことになります。

 

 

1990年代になって、化学物質を検出する技術が進歩すると、ごく微量でも健康に被害を及ぼす、化学物質による内分泌撹乱作用が指摘され、今まで以上に農薬などに対して、厳しい目が向けられるようになりました。

 

そして現在では、2001年に制定された有機農業の規格、有機JAS規格により、農産物の安全性が担保されています。

有機JAS規格と野菜の宅配

野菜の宅配を安心安全な野菜を届けてくれるアイテムとして、活用している人も多いと思います。有機栽培野菜に関心のある人で、定期的に購入する習慣のある人は、宅配に加えて、産直市で購入する人も増えています。

 

 

宅配業者

野菜の宅配では、どこの業者を選んでも、有機JAS規格に適合した野菜を取り扱っています。中でも、大地を守る会は約2,500人の契約農家を持ち、「農薬公害の完全追放と安全な農畜産物の安定供給」を目的に、消費者に安全を届けています。

 

また、坂ノ途中などの農家さんとの新しい形態の宅配サービスができてきました。消費者としては選択肢が増えることは嬉しいことですね。

 

有機JAS規格

国が認定する調査機関によって、審査される仕組みです。野菜の宅配業者自体が認定業者となって、農家の調査を行う場合もありますが、公平性を担保するため、第三者機関に委託するところもあります。

 

 

また、有機JAS以外にも、独自の検査基準を設け、より厳しい審査を通った農家とだけ、契約を結んでいる宅配業者もあります。

 

有機栽培野菜を購入する時

産直市を活用する人も多くなってきています。こちらは、基本的に生産者の責任で「有機JAS規格」の認定を受けるよう指導しているところが多いのが現状です。

 

 

参加する農家も、必ずしも有機栽培ばかりをしている農家だけではありません。表示をよく見て買わないと、せっかく有機JAS規格の野菜を買おうと思っていたのに、違う野菜を買ってしまうケースもありうるのです。

 

産直市では、

農家同士の交流は野菜の宅配と比べて活発ではありません。産直市の中で競争が起き、品質や価格が一定以上のところで維持できてます。でも、栽培での交流がないため、参加農家全体の技術が底上げされないのです。

 

 

もちろん人気のある農家は、それなりに技術もアップしていきます。一方で、人気のない農家は淘汰されていきます。それが野菜の宅配業者と異なる点です。

 

最近では、スーパーなどでも気軽に買えるようになってきた有機栽培野菜。おいしくて安心な野菜を確実に購入したいのなら、野菜の宅配を活用した方が確かですね。

 

ただ、時間がなくて料理する時間がないという人もいるでしょう。そういった場合は、宅配弁当を利用するのも方法です。冷凍技術の著しく進化しているので、美味しい宅配弁当も増えていますよ。人気の宅配弁当としてはnosh弁当とかわんまいる惣菜とかですね。